充電式電池とは、繰り返し充電して使える電池のことで、二次電池とも呼ばれます。使い切りの一次電池(乾電池)と違い、繰り返し使用できるため経済的で環境にも優しいと言われています。リチウムイオン電池やニッケル水素電池、ニカド電池などがあります。
私たちの生活に欠かせないものとなった充電式電池ですが、安定した処分ルートや収集方法の確立が追いついていない現状があります。
充電式電池が原因と思われる事故も多発していて、全国各地で収集が燃えたり、処理施設で火災が発生したりすると、報道もされるので我々業界の人間だけでなく、住民のかたの関心も高まり充電式電池の処分に関する問い合わせも増えています。
「充電式電池使用製品が発火したが捨てたい」と言われた事例
発火した充電式電池使用製品を処分したいと問い合わせがあり、消防、環境センター、市が対応した事例です。
- 発生住民から市へ問い合わせ
「コードレス掃除機の電源を入れたら発火した。怖いので処分したい。」
- 5分環境センターに相談
発火の恐れがある充電式電池使用製品を収集できるか?
- 10分消防に相談
発火の恐れがある充電式使用製品を処分しようとしているが、消防は立会うことができるか?
- 30分市の職員と環境センターの職員が現場到着
コードレス掃除機を確認。発火の恐れがあるので動かさずに住民に事情を聞き、消防に連絡。
- 50分消防が現場到着
事情の聞き取り、コンセントの確認し、掃除機を屋外に出して分解。発火の恐れなしと判断。
- 90分環境センターが回収
住民から処分手数料を徴収し、環境センターがコードレス掃除機を回収。
この事例では、問い合わせがあったコードレス掃除機は、結果として発火していなかったというものです。
それでも発火の疑いがあると言われると、軽視することはできず消防まで出動することになりました。
収集側も通常の処分(集積所に出すことや、粗大ごみとして出すことなど)を指示して、収集中に事故があってはいけないので直接回収するという判断をしています。
報道の影響で相対的に問い合わせが増えている
今回の事例も、住民は数日前にテレビで充電式電池が発火する映像を見て不安になり、発火していなかったのに、発火した/火花が散ったと思ってしまったようでした。
今回は初めてのケースでしたので、行政としては、発火した/発火しそうだ、と言われると最大限の対応をせざるを得ない現状があります。
充電式電池が原因の発火や爆発の報道が増えれば増えるほど、相対的に住民からの問い合わせも増えると言えます。
関係各所とすり合わせをしておくことが求められる
このようなケースは決して多発しないとは考えられますが、ごくたまに発生する可能性はあります。
その時に適切な対応ができるよう、関係各所で事前に段取りを決めておくことが求められます。
どこが陣頭指揮を取るのか、どのような状態であれば消防を出動させるか、どのようなものなら収集できるかなど、それぞれの条件をすり合わせて、基本的な対応方法を共有しておくことが必要です。
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